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10/20/2002

トニ・コレットとシドニーの古き良き時代

(この文章は2002年10月にニフティG'day from Downunderに掲載されたものです。)

“アバウト ボーイ”でヒッピーで鬱気味の母親を好演のトニー・コレッタは、ハリウッドで活躍中のオーストラリア女優の一人だ。“シックス・センス”のシングルマザ-役でアカデミー賞、助演女優賞にノミネ-ションされたのは記憶に新しい。が実は、17歳の時からキャリアは充分の演技派。20歳の時に主演した“ミュリュエルの結婚”はオーストラリアで大ヒットし、一躍大人気となった。役作りのために20Kg近くの体重を増やしたそうだ。既に約10年前であるのに、あの強烈な個性は今でも忘れられない。昨年、トロップフェストでお見かけしたときには‘ずいぶん細い人なんだあ’とびっくりした。みんなからそう言われるという。

 シドニー郊外のブラックタウンで普通のワーキングクラスの家庭に生まれたシドニーサイダー(シドニー育ちのシドニーッ子)。10年生(高校1年)の時に、どうしても演技がしたいと両親を説得して学校を辞めた。映画初出演は、17歳の時の“Spotswood”というから、もともと演技の素質がある人だったのだろう。最近はハリウッド映画ばかりでご活躍かと思いきや、この豪映画‘ダーティ・ディード’では、ツヨ~い極道の妻をカッコよく演じている。制作・主演の往年不良俳優のブライアンがラブコールを送りつづけたらしい。 

 1969年シドニー。 マフィアのバリー(ブライアン・ブラウン)にとって、世界は彼を中心に回っているようなものだ。いかさま賭博にポーカーマシーン、ナイトクラブ、娼婦、もちろんお金には困らない。血なまぐさい事件さえも、彼の息がかかった刑事レイ(サム・ニ-ル)が処理してくれる。可愛い息子と魅力的で賢い妻(トニー・コレット)、若い恋人と私生活も充実している。ある日、彼のもとに甥がベトナム戦争から帰って来る。バリーは彼を一人前の男にしようと、一緒に連れ回す。そんな時、アメリカはシカゴから二人のイタリアン・マフィアが訪ねて来て…バリーは彼らをオーストラリア風(?)にもてなすことにするが…。

 ポーカーマシーンのクールなタイトルロールからテンポ良く、爽快・豪快・ブラック・クライム・スリラー・ファミリー・ラブ・青春・コメディ… と、ジャンル分けに困るのだが、あえて言えば、ノスタルジック・ブラックコメディと言ったところかな。5cを入れるポーカーマシーンやフラワーチルドレン、大きなサングラスにパンタロン、アフロヘア、そして、マフィアと悪徳刑事… 古き良き時代って言うのかな? 何故だか、みんな懐かしい風景なのだ。

 脚本は、本当にあった事件、実在の人物に基づいているそうなので、オーストラリアにもこんな時代があったのかあ? と気づかされる。もうひとつ、面白いのは、この時代にまだ誰も知らないへんな食べ物‘ピザ’がアメリカから(イタリアではない!!)やってきたってこと。この国の移民の歴史を考えるともちろんちょっと、眉唾だけど、シカゴのイタリアン・マフィアが脱サラ(とは言わないか、脱マフ?)して、ピザの店をシドニーに作ったのがオーストラリアのピザの始まり、なんて、本当だったら愉しいではないですか!?

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