監督ポールソン、ハリウッドデビューは震えるスリラー“スイムファン”
(この文章は2002年12月にニフティG'day from Downunderに掲載されたものです。)
シティの中心に紀伊國屋書店が出来た。日本の書籍も豊富でうれしい今日この頃。そこで先日、日本でも大人気の水泳選手イアン・ソープのサイン会が行われた。 処女作‘Live Your Dreams’の出版記念の催しであったが、老若女性を中心にたくさんのファンが集まったそうだ。水泳だけでなく、文才にも恵まれ性格も良いとなれば、ぜひお近づきになりたいと願う熱狂的なファンも多いことだろう。
“Swimfan”は、イアン・ソープを彷彿とさせるところの将来有望視されている水泳選手が、偏狂的な一人のファンによって、歯車を狂わされ、すべてが自分のコントロールの効かない世界へと転落していくサスペンススリラー。ジョン・ポールソンのハリウッドデビュー作品だ。このコラムを最初から読んでくださっている方はご存知の、今や世界最大の短編映画祭、トロップフェストの創始者であり、俳優であり、また監督としては‘サイアム・サンセット’(2000年ゆうばり映画祭に出品)で長編に挑戦し、数々の賞を受賞したポールソン。とうとう、オーストラリア監督としては、夢に近いハリウッドデビューを果たした。まだまだ、メジャー作品の中には入らないが、それでも全米公開の初日には堂々の一位を飾ったのだ。
彼の成功の裏には、トロップフェストにも多額の出資をしているトム・クルーズの熱心なサポートがあったといわれている。トム・クルーズといえば、ここオーストラリアではシドニー出身の二コール・キッドマンの元ご主人という位置付け。一緒に里帰りしたりして、娘婿的な人気があったが、離婚後、オーストラリアでの人気は(少なくともシドニーでは)ちょっと下降したことは否めない。二コール共々ポールソンと仲良しだったトムは、前作の‘サイアム・サンセット’を観た後、豪く気に入って、業界有力者を次々と紹介してくれたそうな。“MI:1”への出演依頼もそんな折と聞く。とんとんと話はすすんで… ハリウッド監督デビューそして、“Swimfan”の公開時には既に3作目(しかも今作に比べ大幅予算アップ)の制作に入っているのである。さすがポールソン、かなりの商売人と見たぞ!!
水泳奨学生として大学入学を心待ちにする高校生のベン(Jesse Bradford)は、競泳界の次代を担う期待の星だ。ガールフレンドのアミ-とは、大学に入って離れ離れになっても、ずっと一緒にいようと将来を誓い合っている。ある日、転校生で金髪グラマーの(これはやはり重要な要素らしい)マディソンと、ひょんな事から知り合いになったベンは、彼女と一夜の関係を持ってしまう。彼女の方から、このことは二人の秘密とし、友達でいようねと言われ、安心(?)したのも束の間、実は彼女の執念は深く、彼を付け狙うのだった。
いわばハイスクールドラマ版‘危険な情事’(’87)。グレン・クローズが美味しい役どころで、アカデミー賞にノミネートされたように、“Swimfan”でもマディソン役のエリカ・クリステンセンが熱演。静かにチェロを弾いている姿や、白目をむくような顔だけでも怖い!それが最後には…Oh,No! 高校生の女の子にいくらなんでも、そんな怪力ないだろう!?と突っ込みをいれながらも、やはり怖い!
イアン・ソープ君はこの映画を観ただろうか? 女の子恐怖症にならなければ良いけどねとつくづく思わざるを得ない。
| Permalink | コメント (0) | トラックバック (0)


Recent Comments